日本のスポーツカーを一本の線で語ると、必ず誰かの好きがこぼれる。GT-Rは技術で地面を掴む四輪駆動。86やGR86は、軽さとFRの会話。シビックタイプRは、FFで速く曲がるという宿題を、何十年も解き続けている。
GT-Rは、日産がレースと量産のあいだで磨いてきた名前だ。数字が大きく、四輪でトラクションを稼ぐ。86は、トヨタとスバルが、運転すること自体を主題にした。パワーより、荷重とタイヤの話が中心になる。タイプRは、日常のハッチバックの形のまま、サーキットの時計と向き合ってきた。
国産スポーツは、舶来のコピーではない。別の才能の出し方だ。
どれも「速い車」ではある。ただし速さの定義が違う。直線、コーナリング、日常での使いやすさ、価格。日本の道幅と、都市の交通の中で鍛えられた感覚が、海外のスーパーカーとは別の魅力になる。
中古市場でも、この三系統は話題に事欠かない。乗れる実用性と、週末の楽しさを同時に欲張れるのが、国産スポーツの地力だ。最初の一台は、馬力の大きさより、どの才能に共感するかに置くと後悔が少ない。
車の話で日本が出たら、この三つを地図のピンにしてよい。技術、対話、FFの極。ジャンルの入口として、十分すぎる。
