中古車を見るとき、つい年式と走行距離で線を引きたくなる。新しい方が安心、少ない方がきれい。大枠としては正しい。ただ、同じ年式でも、整備の中身で車は別人になる。

見るべきは、記録だ。点検整備、タイミングチェーンかベルトか、足回りの交換、事故の修復。正規の記録簿があることは魔法の保証ではないが、前の所有者が車をどう扱ったかの手がかりになる。

良い中古は、新しい車ではない。記録が残っている車だ。

外装のきれいさは、内側を保証しない。下回り、タイヤの残り、ブレーキ、警告灯。試乗で変な振動や、シフトの迷いがあれば、価格が安くても宿題が増える。安さは、あとから払う費用の前倒し、ということもある。

認定中古や、ディーラーの保証は、その宿題を誰が持つかの話だ。自分で見られる人は、個人売買の余地もある。見られない人は、見る人を買う。中古は、車体だけではなく、情報の取引でもある。

欲しい車種が決まったら、年式の線より先に、履歴の揃った個体を待つ。待つことができる人の方が、中古では強い。車の教養は、買う直前にいちばん効く。