ウールは、保温と、落ちる線。リネンは、熱を逃がし、シワを、風として見せる。コットンは、肌に近く、洗濯という日常に乗る。素材の名前は、タグの英語ではなく、一年の使い方だ。

同じジャケットでも、冬のウールと、夏のリネンでは、別の道具だ。シワを欠点と見るか、素材の正直さと見るか。リネンを、ウールの完成度で採点すると、負ける。

高い服の正体は、しばしば、高い素材と、その扱いだ。

合成繊維は、悪役ではない。伸び、乾き、雨。目的がある。混ぜることで、型崩れを防ぐこともある。天然だから偉い、は、時々、手入れできない人のスローガンになる。

手入れは、素材の一部だ。ウールに、毎日の洗濯機は向かないことが多い。リネンは、湿ったままにしない。タグは、面倒な注意書きではなく、布の取扱説明書だ。

店で触る。光を通す。季節を想像する。素材が分かると、色と柄の話は、そのあとに来る。服を見る目は、肌に近い場所から、育つ。