タグの数字は、出発点だ。到着点は、余白だ。肩、胸、袖丈、着丈。座ったとき、腕を上げたとき。鏡の正面だけで買うと、帰りに、別の服になる。

フィットと、サイズアップ。どちらが今か、は、場と、骨格と、流行で変わる。大きすぎるのは、楽、ではなく、肩が落ちて、安く見えることがある。きつすぎるのは、姿勢を、服に合わせることだ。

ジャストサイズは、動かない服ではない。動いたあと、線が戻る服だ。

国とブランドで、数字の中身が違う。自分の体の、二、三箇所の実寸を知っていると、通販の失敗は減る。ウエストより、肩。パンツは、股下。地味な数字が、高い買い物を守る。

直せる場所と、直せない場所がある。裾は比較的やさしい。肩は、難しいことが多い。買う前に、何を直すかを決める。仕立直しは、魔法ではない。

サイズ感が分かると、服は、枚数より、精度の話になる。一つ、線が戻るジャケット。それが、ワードローブの、いちばん静かな贅沢だ。