ゴルフバッグが重く見えるのは、道具が多いからではない。距離の階段を、一本ずつ持っているからだ。ドライバーはティーショット、遠くへ。アイアンは、グリーンに乗せる、あるいは手前から運ぶ。ウェッジは、短い最後の仕事。パターは、芝の上の転がし。

番手が一つ変わると、だいたい10ヤード前後、人によって差はある。全部を同じ力で振ろうとせず、番手で距離を選ぶ。それが、上手い人の見え方だ。力任せのドライバーより、7番で確実に運ぶ方が、スコアは優しい。

クラブは種類が多いのではない。同じ仕事を、違う距離でするための階段だ。

ウッドとユーティリティは、長い距離を、アイアンよりやさしく稼ぐための橋だ。初心者が全部揃える必要はない。使う番手が決まっている方が、練習も、コースも単純になる。

プロのバッグは、その日のコースに合わせて入れ替える。アマチュアは、自分の得意な距離を先に知る。何ヤードなら、どの顔が安心か。袋の中身は、自己分析の結果でもある。

道具の話は、ブランドの話に逃げやすい。先に役割を置く。遠くへ、乗せる、寄せる、転がす。四つの仕事が分かると、ショップの棚は急に読める。