時計を増やしたくなる気持ちと、実際に腕に乗る本数は、一致しないことが多い。だから最初の設計図として、三本は使いやすい。平日、水辺や休み、少し改まった夜。役割で分ける。

一本目は、毎日。自動巻きでもクォーツでも、サイズが腕に合い、傷を気にしすぎないもの。二本目は、スポーツか、ラバーか、防水の余裕。三本目は、ドレス。薄く、静かで、ベルトが革。この三角があると、TPOで迷いにくい。

三本目は、コレクションではない。生活の穴を塞ぐ一本だ。

同じ顔を三本買わない。ムーブメントの種類を分ける必要もない。分けるべきなのは、場面だ。全部がダイバーでも、全部が金でも、生活はカバーできない。

四本目以降は、趣味の領域に入る。悪くはない。ただし三本が埋まる前の四本目は、穴を増やすことがある。コレクションは、役割が満たされてからが、楽しい。

持たない選択もある。一本を長く、ベルトだけ替える。それでも教養は足りる。三本は、上限ではなく、地図の書き方だ。自分の一週間を、針で覆えるか。それが、日常使いの問いである。