デイトナ、サブマリーナー、デイトジャスト。愛称は強い。ただ、ロレックスの世界では、同じ愛称の下に何世代もの時計がいる。区別するのが、参照番号、いわゆる型番だ。

数字は、ケースの系統、素材、ベゼルの違いを圧縮している。サブマリーナーでも、日付があるかないか、サイズが違うかで番号が変わる。デイトナでも、ムーブメントや文字盤で別物になる。中古相場が型番単位で動くのは、そのためだ。

ロレックスを語るなら、愛称の前に、参照番号を一枚持つ。

全部を暗記する必要はない。自分が気になる一本の番号と、それが何系の、何世代かを言えれば十分だ。愛称だけだと、会話はポスターの前で止まる。番号があると、個体の話に入れる。

正規の保証、オーバーホールの記録、並行か正規か。型番と同じくらい、履歴が価格を作る。人気モデルほど、見た目のコピーと、中身の確認がセットになる。名前が強いブランドほど、見る目が問われる。

ロレックスは、成功した工業製品でもある。型番は、その工業の住所録だ。住所が言えるようになると、憧れは、少し具体的な知識に変わる。