白い部屋に、工業製品が置いてある。子どもの絵に見える線。値段だけが先に来る。現代アートが苦手、という告白は、正直だ。上手さの試験だと思うと、負ける。
見る順番を変える。何でできているか。いつ、どこで、何に反応して作られたか。キャプションは、負けではない。地図だ。印象派が光なら、現代は、制度や、日常や、歴史への問いであることが多い。
分からない、は、失敗ではない。現代の作品は、しばしば、問いの形をしている。
全部が高尚とも限らない。市場と、話題と、作品は、絡まる。分からなさを、自分の無知だけに帰さなくていい。作り手が、分かりやすさを捨てていることもある。
一つだけ、体で見る。大きさ、音、歩く距離。写真で見た作品と、部屋に置かれた作品は、別物だ。現代は、複製より、現場の条件が主題になりやすい。
好きになる必要はない。一つ、問いを持ち帰れれば、十分に見たことになる。上手い、下手、の前に、何を問うているか。それが、現代アートの入口だ。
