物件情報の、駅徒歩何分。この一行に、東京の価値のかなりが載っている。分数は、体力測定ではない。雨、荷物、帰り、ベビーカー。多くの人が我慢できる距離が、需要として価格に入る。
徒歩は、不動産会社の測り方だ。80メートルを1分、という機械的な換算が多い。坂、信号、改札の位置で、体感は変わる。同じ7分でも、平坦と、長い横断歩道では別物だ。
徒歩7分は、距離ではない。雨の日の、需要の濃さだ。
バス便、自転車、車。徒歩以外の最後の一区間は、買う人の層を変える。層が変わると、貸しやすさも、売りやすさも変わる。駅徒歩は、資産性の半分、というのは雑だが、半分と言うに足る雑さだ。
住む側は、夜の帰宅を歩く。投資側は、次の人が歩くかを見る。両方やるなら、昼の晴れた日だけではなく、雨の夜に一度歩く。分数表では分からない凸凹がある。
内側かどうかより、改札から何分かを先に置く。東京の地図は、環状線より、徒歩圏の円の集まりに近い。
