豊洲、有明、晴海。東京の湾岸は、新しい住まいの象徴として語られる。塔、商業、水。ただし三つは、同じ埋立の、別の街だ。市場の跡、レジャー、選手村の後。履歴が違う。
交通は、路線が命になる。一本に頼ると、工事と混雑の影響が大きい。橋と、風と、塩。内陸の住宅地とは、メンテナンスの話も少し違う。新しさは、完成形ではなく、変化の途中であることが多い。
湾岸とまとめると、橋の向こうの差が見えなくなる。
子育て、仕事、週末の過ごし方。商業が揃う街と、まだ揃い途中の街では、日常の移動が変わる。景色の良さは共通でも、スーパーまでの距離は共通ではない。
供給量も、湾岸の特徴だ。似た住戸が多いと、貸すときも売るときも、比較されやすい。希少性より、流動性で考える視点が要る。都心の静かな住宅地とは、値動きの癖が違う。
湾岸に住む、と言う前に、どの駅の、どの区画かを置く。水辺は魅力だ。魅力を、交通と、供給と、風で割ると、街の実像が出る。
