ウイスキーは、ワインほど酸化に弱くない。高いアルコールが、微生物を抑え、変化を遅くする。だから開けたらすぐ飲み切れ、とは限らない。それでも、空気の層が大きい瓶は、香りが丸く、時々、退屈になっていく。
保存は、直射と、高温を避ける。コルクの乾燥も、長い目では敵だ。立てて置くことが多い。冷蔵庫は、必須ではない。冷やす飲み方は、飲む瞬間の話だ。
蒸留酒は日持ちする。ただし、半分空の瓶は、もう別の条件にいる。
残量が減ったら、小さい瓶に移す、という手もある。完全ではない。飲むペースを上げる方が、素直な解決のこともある。コレクションとして並べるなら、開栓日を覚えておく。
日光の当たるバー棚は、美しい。美しい棚ほど、ボトルには厳しい。家では、箱や、暗い棚。見せる展示と、守る保存は、分けてよい。
一本を開けた日は、その蒸溜所との付き合いが始まった日だ。急がなくていい。ただし、空気は、静かに取り分ける。保存の知識は、残り香を守るための、地味な親切だ。
