シングルモルトが人気になると、ブレンデッドは一段下に置かれやすい。実際は、スコッチの歴史の本体に近い。麦の原酒と、グレーン、複数の蒸溜所。ブレンダーは、年ごとの差をならし、ハウスの味を守る。

定番のボトルが、いつ飲んでも似た顔なのは、混ぜる技術の成果だ。シングルの、樽ごとのばらつきとは、別の美意識である。シャンパーニュのノン・ヴィンテージに近い、と言えば、ワイン側の人には通じやすい。

ブレンドは、平均ではない。複数の蒸溜所を、一本の意図に編むことだ。

グレーンウイスキーは、柱、とよく呼ばれる。麦の派手さを支え、飲みやすくし、量を作る。主役ではないが、いないと家が傾く。

高いブレンデッドも、日常のブレンデッドもある。価格帯は、シングルと同じく幅がある。ジャンルで上下をつけない。何を守りたい一本か、で選ぶ。

バーでブレンドを頼むことは、初心者マークではない。ハウスの味を、そのまま飲む選択だ。混ぜる技術を知っている人の方が、シングルも、正しく褒められる。