精米歩合50パーセント、40パーセント。数字が小さいほど、米の外側を多く削っている。大吟醸の世界では、この数字が話題になる。削ると、雑味の元になりやすい部分が減り、香りが澄みやすい。
ただし、削るほど美味しい、は短絡だ。外側には、旨味の材料もある。削らない、あるいは歩合の大きい酒に、食事を支える力があることは珍しくない。数字の競争は、造りの一側面にすぎない。
精米歩合は、研磨の度合いだ。点数ではない。
同じ歩合でも、米の品種、麹、酵母、搾り方で、別人になる。ラベルのパーセントだけを見て、序列をつけない。香りが欲しい夜と、肴が濃い夜では、欲しい数字が変わる。
磨きすぎた酒は、温度管理も、グラスも、向きが変わることがある。大吟醸を熱燗にするのが間違いとは限らないが、造り手の意図とはズレやすい。数字と、温度は、セットで考える。
精米歩合は、暗記しやすい。だからこそ、点数にしない。削った量は、設計の選択だ。小さい数字を褒め、大きい数字を支える。両方言えると、日本酒は立体になる。
