ラベルの裏に、日本酒度プラス3、マイナス1と書いてあることがある。プラス寄りが辛口、マイナス寄りが甘口、と覚えられる。入門としては、正しい。

ただし酸が強いと、糖があっても辛く感じる。香りが強いと、甘く感じる。度数と、温度と、肴。甘辛は、一次元では測れない。日本酒度は、地図の方位磁針であって、現地の天気ではない。

日本酒度は、便利な目盛りだ。ただし、酸が並ぶと、目盛りは嘘をつく。

酸度、アミノ酸度と並記されることもある。数字が増えると、試験のように見える。全部追わなくていい。今夜の肴が、塩か、脂か、甘いか。舌で決めて、数字は後追いする。

甘口を避ける人ほど、実は純米の旨味を、甘さと混ぜていることがある。米の甘さと、残糖の甘さは、別だ。言葉を分けられると、注文が上手くなる。

便利な目盛りは、使ってよい。過信しない。ワインの残糖と同じで、数字より、一口目の印象が先だ。日本酒度は、会話の取っ掛かりとして、ちょうどいい。